教習に必須の低速バランス
二輪免許を取得する際に、必須となってくる課題の一つが、一本橋やクランクです。
バイクの教習の中でも、一本橋は低速バランスのテクニックを習得するために、もっとも大切な課題となっています。
この場合、一本橋は30センチ幅の板をゆっくりと通過することがポイントとなります。大型二輪は10秒以上、中型二輪以下は7秒以上と定義されています。
この一本橋は、ただゆっくり走ることが目的ではありません。
もちろん公道では30センチ幅の道を走る機会は、ほとんどないといえます。
ただ実際に公道で走行する場合、いつも速度を上げて走行できるとは限らず、たとえば渋滞や、見通し悪い細い道などで、低速で走り続ける必要が生じてきます。
バイクはある程度速度を上げていないと、車体が安定しません。
つまり、常にバランスを取り続けなければいけないバイクの運転者は、スピードを出していないゆっくりの速度だと不安定な状態になるため、どれだけバランスを保っていられるかがとても重要なこととなってくるのです。
低速バランスは、ライディングの基本であり、高度なテクニックだともいえるのです。
低速バランスのポイント
低速バランスを取り続けるために、必要なポイントはいくつか挙げることができます。
まず注意したいのが姿勢です。
車体を直立上体にして、目線を遠くにするようにします。
運転をしていると気づきにくいかもしれませんが、バランスを取り続けている状態で目線が近くにあると、ふらつきの原因となってしまうのです。
そのため、なるべく視線を遠くに向けましょう。
バイクは運転手の視線に合わせて動くようになっています。
そのため教習所の一本橋の場合ですと、橋の終点に向けるようにこころがけるようにしましょう。
バイクにまたがる時には、ステップにカタカナの「ハ」の字のように足をのせます。
ニーグリップを行い、下半身でがっちりとバイクの車体をホールドするようにします。
その一方で上半身、腕や肩の力は抜き、ハンドルも、手で添えているような握り方にします。
上半身に力が入った状態でいたり、上半身がゆらぐとニーグリップも弱くなり、バイクの動きに影響し、ぐらつくことになってしまいます。
そして、ギアを1速に入れ、半クラッチの状態にし、スロットルはアイドリングより少し開いた状態にします。
半クラッチも、スロットルも、なるべく同じ強さを保つことにしましょう。
強さが一定でないと、バランスがその分崩れてしまいます。
速度の調整はリアブレーキをメインとして行うようにします。
低速バランスのマスターは時間がかかるテクニックのひとつですが、バランスのとり方は自転車などでも行うことができます。
自宅などで練習を積んだり、意識して低速バランスを行うようにしましょう。